ノスタルジーノート

いままで歩いてきた道、重ねてきた経験、懐かしいもの、愛着のあるもの、思い出、ノスタルジーを感じる風景、そこから広がる世界は、きっとやさしい。

痛みを麻痺させる、魔法の道具。誕生のキッカケは「恥ずかしさ」。

f:id:nosutaruno:20181110150128j:plain

今回は、ある「魔法の道具」を、ご紹介しようと思います。

 

「痛みを感じなくさせる魔法の道具」です。

 

あなたは、その道具をカンタンに手に入れられますし(手に入れられない人もいます)、

 

その道具を使いたければ、いつでも使うことができます。(使えない人もいます)

 

その「魔法の道具」は、確かに「痛みを感じなくさせてくれる」という効果がありますが、

 

この記事を読み終わる頃のあなたは、本当にその「魔法の道具」を使うべきかどうか、改めて考えてしまうことになるかもしれません…

 

その道具とは… 

 

 

「痛み」は、お好き?

 

突然ですが、ちょいとそこのあなた、「痛み」はお好きですか?

 

「痛み」が好き!なんて人は、いないと思いますが、

(一部の特殊な趣味・特殊なプレイを好む方は除きます)

 

「痛み」って言われたら、どんな痛みがパッと浮かびますかね?

 

歩いてたらタンスが飛んできて、そのタンスの角に足の小指を思い切りぶつけて、変な鳴き声が出たりとか、

 

f:id:nosutaruno:20181110150428j:plain

「一部の地域の方はここでお別れです」というセリフの後、自分の見ていた番組が途中で終わってしまった時の静かな悲しみとか、

 

そういう物理的な「痛み」や、感情的な「痛み」が思い浮かぶかもしれません。

 

ここで質問を「限定的なもの」にします。

 

お金に関する痛みといえば?

 

「お金に関する痛み」と言われたら、何が頭に浮かびます??

 

月末に「アレ、、なんでこんなに金がないんだろ…

とか、

 

「今月、結婚式2つもあんの!お金めっちゃ出ていく…

とか、

 

「あぁ~、給料入ったのに、カード使った分がガサッと引き落とされて、生活費がぜんぜん残らない…」とか、(お恥ずかしながら、昔の我が家の話です…)

 

 

「お金に関する痛み」と言うと、いろんなツラいシーンが浮かぶ人もいるかもしれませんが…、

 

端的にいえば「支払い」が「お金に関する痛み」です。

 

(一部の超富裕層が抱く「私はこんなにお金を持っていていいのだろうか」という得体の知れない良心の呵責と罪悪感は除きます。)(そんな感情を抱くのか?超富裕層じゃないから知らんけど。)

 

で、なんで、こんなことを話してるかというと、

 

脳科学的な「痛み」と「お金」の関係

 

実は、脳科学でも、この「痛み」が実験結果として出ているそうで、(最近知った知識をひけらかすタイム。ただ、これが言いたいだけダッタリスル…)

 

f:id:nosutaruno:20181110151958p:plain

脳には、人間が痛みを感じた時に反応する部位」があります。

 

その部位が「いつ反応するのか?」を観察していた所、

 

なんと、「お金を支払う時」にも、その部位が反応した、

 

つまり、脳が「支払い=痛み」と捉えている、という実験結果が出たそうです。

 

「支払い」は「痛み」と同じだとすれば、できるだけ痛みを感じないように、できるだけ支払いをしなくて済むように行動するのが自然の流れ。

 

「たった2つ」の人間の行動原理とは?

 

人間の行動原理は、実は「たった2つの理由」しかないらしいです。(こちらも聞きかじりの知識を披露)

 

わかります?

 

人間が行動する「たった2つの理由」

 

それは、

 

1「苦痛を避ける」

2「快楽を得る」

 

この2つらしいです。

まー、たしかに言われてみれば、そうかも。

 

人間は「痛み」を避けようとする本能があるので、痛みと同じ感覚である「支払い」を避けようとする本能がある。

 

「支払い」を避けられると困る人

 

でも、、このままでは「困る人たち」がいます。

 

 

 

それが「商人」です。

 

f:id:nosutaruno:20181110151748p:plain

 

彼らは「売る」ことで生きていて、

「もっと売りたい」と考えています。

 

 

 

しかし、人間は「支払い」という

「痛み」を避けてしまう生き物です。

 

そこで「お金儲けの天才」は考えました。

 

「痛みを感じないようにしてしまえ」と。

 

「支払い」の「痛み」を感じないようにすれば、

 

もっと「売れて」

もっと「儲かる」はずだ。

 

 

さあ、ここで「お金儲けの天才」は考えました。

 

「支払っている感覚を失わせるには、どうすればいいだろう?」

 

 

さらに、考えていくと、

 

「そもそも、支払う感覚と痛みは、どこから生まれてくるんだろう?」

 

そんな「問い」にたどり着きました。

 

 

そうして考えた結果、彼は気付きました。

 

 

「目の前から消えて無くなること。その[視覚的に消える現象]が、痛みを感じさせているんだ!」

 

 

人間は狩猟民族でした。

 

獲物を捕まえたら、自分の取り分を《視覚的》に見ていました。

 

その後、農耕民族になり、

 

収穫量や、その収獲を生み出す土地の面積を《視覚的》に見ていました。

 

人間は、「空間」の中にある「《視覚的》な量」で、自分の「持ち分」を把握してきました。

 

 

つまり、財布の中から《視覚的》に消える現象

 

自分の手元から、相手の手元にお金が渡ってしまって《視覚的》に手元から無くなる現象、

 

それが「痛みの原因」だ!

 

 

支払う時に感じる「痛みの原因」に気づいた彼は、

 

考えた末に「魔法の道具」を思いつき、発明しました。

 

 

支払う時に感じる痛みを、感じさせない「魔法の道具」。

 

《視覚的》に消える現象を、感じさせない「魔法の道具」。

 

 

 

それが「クレジットカード」という商人にとっての大発明品でした。

 

 

エジソンが発明した「電球」は、人類すべてに明かりを灯した発明でしたが、

 

「商人」にとっては、自分の懐が明るくなる「クレジットカード」のほうが、より喜ばしい最高の発明品だったのかもしれません。

 

さらに言えば「支払い時の痛み」を薄くするだけでなく、

 

お金がなくても払えるようにして、「借金している感覚」を薄くすることに成功しました。

 

これによって「商人」の中でも、特に「金貸し業の商人」は、貸出額が増え、利息を稼ぐことができるようになりました。

 

、、、というストーリーが実際にあったかどうかは、わかりませんが(ここまでは創作ストーリーです。でも、たぶん、こういうことを考えたんだと思う)、

 

商人界での最大の発明品が世に広がったことで「支払いの痛み」が軽減され、

 

「買うハードル」が下がり、

 

「気軽に自分のお金を消費する」ようになり、

 

商人が儲かりやすくなりました。

 

実際に、クレジットカードが「登場する前の個人負債総額」に比べて、クレジットカード「登場後の個人負債総額」は、約3倍だったかな、、なんか、すごく増えたっていうデータもどっかで見た覚えがあります。(ごめん、見つからなかった)

 

カード社会アメリカの闇

 

やっぱ、カードがあると、支払いの痛みを感じにくいから、「どんどん使っちゃう」という悲しい人間の性があるようで、

 

現金を持ち歩かず、クレジットカードでの支払いが主流のカード社会であるアメリカでは、「貯蓄額よりもクレジットカードの負債額が多い人」37%だったとのこと。(「バンクレート・ドットコム」という金融機関が1000人を対象に調べた統計データ)

 

つまり、10人に4は、自分の支払い可能額を越えてカードを使ってしまっている「隠れ貧困な借金家計」という状態。。

 

まぁ、ウチも以前は、この4人のほう」にいた訳デス、、いやぁ、、お恥ずかしい…

 

本当のクレカ起源ストーリー

 

でも、実際のクレジットカードの起源は、さっき書いた《創作ストーリー》とは違ってて、「恥ずかしさ」から生まれた発明品だったようです。

 

ーーーーーーーー

1950年、アメリカ。

 

とある実業家がニューヨークのレストランで食事を済ませ、支払いをしようとすると「アレ?!財布がない?!」と気づいて、

 

レストランから電話で、家族に「ちょ、ごめん、財布忘れてしもた。。持ってきてくれん?」とお願いして持ってきてもらえることになったものの、

 

待ってる間「めっちゃ恥ずかしいやんもぉお金あんのに払われへんくて待ってるこの時間なんなん?早よぅ来てくれー」という恥ずかしさが、なかなかキツかったようで、

 

その後、このエピソードを話した弁護士と一緒に出資して、「現金がなくても食事ができるクラブ」作ろうぜ!

 

ということで出来上がったのが、世界最初のクレジットカード会社「ダイナースクラブだそうです。

 

クレジットカードが生まれたキッカケが「めちゃくちゃ恥ずかしかった」というのは、意外とほほえましいエピソードだなぁ~と思いましたが、

 

でも、人間って、そういうもんかもしれないですね。

 

「めっちゃ恥ずかしかった!」がキッカケで、「もう二度とあんな思いしたくない!絶対イヤだ!」と思って、そこからなにかしらの行動をする、ってありますもんねー。

 

僕も、人前で話すのがホント無理で苦手で、なのに人前で司会っぽいことをやらざるを得ないハメになって、大失態を晒して、

 

その後「もう二度とあんなのイヤだ!」と思って、いろいろやっていった結果、今ではけっこう人前でもそれなりに話せたり、なんならたまに笑いとれたりもするようになって、

 

思い返せば、あの大失態がキッカケだったなぁ~と、あ、全然関係ナイ話になっちゃいました…ww

 

イデアに目を付けた銀行商人

 

最初にクレジットカードが生まれたキッカケは、けっこう人間くさいほほえましいエピソードでしたが、

 

その後に、「それ、ええやん!儲かりそうやん!」と目を付けたのは大手銀行フランクリン・ナショナル銀行で、翌年1951年には、銀行初のクレジットカードを発行しました。

 

このときの銀行側の発想は、さっきの《創作ストーリー》に近い思考回路があったんだろうと思われます。「めっちゃ儲かりそうやん、イヒヒ」と。

 

 

そして、1958アメリカン・エキスプレス、通称アメックスがクレジットカード事業に参入して、他の大手銀行もクレジットカードを発行するようになり、大量消費時代のアメリカに広がっていきました。

 

バンク・オブ・アメリカ銀行が発行するVISAが生まれたのも、この年でした。

 

そこから1960年代に入ると「アメックス」と「VISA」2大勢力になり、この状況に危機感をおぼえた他の銀行が、

 

「ヤバいぞ!全部アイツらに持っていかれる!よし、1つ1つの銀行ではかなわんから組むぞ!」ということで協会をつくって発行しはじめたのがMasterCard

 

意外な日本のクレジットカード快挙

 

日本でクレジットカードが誕生したのは、アメリカでMasterCardが生まれたのと同時期の1960年。今のみずほ銀行の前身である富士銀行と、後のJTBである日本交通公社「日本ダイナースクラブを設立しました。

 

1964年(昭和39年)には東京オリンピックが控えていたこともあり、海外からの観光客を受け入れる体制を整える意図があったようです。

 

その翌年1961日本発のカードブランド「JCBが、UFJ銀行の前身である三和銀行、三菱UFJニコスの前身である日本信販により誕生。

 

そして、今では当たり前の「プラスチック製のカード」が誕生したのは、アメリカではなく、実は、1963年に日本ダイナースクラブが発行したものが世界初のプラスチック製クレジットカードだったそうです。

 

日本は「発明」はそれほど得意じゃないですけど、こうやって「利便性」を高めたり、「発展させていく」のは昔から得意なんですねー。

 

 

というわけで、今回は「痛みを感じなくさせる魔法の道具」のストーリーと、クレジットカードの歴史をまとめてみました。

 

クレジットカードというアイデアが生まれて、そこに金融の代表選手である銀行が次々に乗っかっていくというのは、もちろん「儲かるから」なわけで、

 

「そちらさん」が儲かっているということは、「こちら」からはどんどん出ていっちゃうわけで、

 

便利な仕組みであるものの、意識せずに、ほっとくと人間の性質上、どんどん使ってしまう商人にとっての大発明品であるということは、頭に置きながらカシコく使っていきましょ~。昔の我が家みたいにならないようにね